文字盤に描かれた躍動感溢れる色鮮やかなシーンは、赤と金の色調で表現されています。中国の春節や各種の祝祭、さらには結婚式でも用いられる赤と金の組み合わせは、最上級の幸運を象徴する配色であり、喜びと繁栄に満ちた一年の訪れを告げるものです。
舞台の中心で存在感を放つのは、活力に満ちた勝利のポーズで描かれた、燃えるような赤い馬です。後ろ脚で立ち上がり、前脚を宙に放ったその姿は、あらゆる地上の制約を超えて天へと駆け上がる、自由奔放な魂の冒険を想起させます。
力強さと優雅さを兼ね備えたこの馬のモチーフは、職人の手で赤いラッカーを丁寧に重ね上ることにより、仕上げられています。緩やかな曲面が立体感を生み、馬の逞しい筋肉の造形を際立たせます。また、赤いラッカーで仕上げられたディテールと、黄やオレンジのラッカーで彩られた風になびくたてがみが、美しいコントラストを生み出します。
文字盤の下部に広がる雲は、手作業でマザー・オブ・パールの細工を施したもの。これは、薄く切り出したマザー・オブ・パールを枠の中に嵌め込むという、繊細で高度な技法で形成されています。中国文化において、雲は幸運を象徴し、天と地をつなぐ架け橋となります。この芸術的な表現において、馬は地上の世界を離れ、立体的なカボションの星々が きらめく黄金色のマザー・オブ・パールの天空を駆け抜けます。そして、8個のマーキースカット・ダイヤモンドで表現される最も輝く天の光へと向かうのです。
赤いマザー・オブ・パールで象られた馬蹄形のアーチを背景に時刻を示す、8個のマーキースカット・ダイヤモンドは、下側の虹色に輝く白い雲へと向かうにつれて、その存在感を増していきます。6時の位置には、ブランドのシグネチャーであるエメラルドカット・ダイヤモンドをレイアウト。これは創始者ハリー・ウィンストンが特に愛したダイヤモンド のカットへのオマージュです。